マリオネットラインとは唇の両脇からあごへ向けてのびる「溝」のこと

更新日: 2023年02月08日

マリオネットラインとは唇の両脇からあごへ向けてのびる「溝」のこと

マリオネットラインは唇の両脇からあごへ向けてのびる「溝」状のシワのことで、皮膚のたるみや肌のハリや弾力の低下、噛み合わせの悪さや猫背などの生活習慣的なもの、さらにお肌の大敵である紫外線によって引き起こされます。ほうれい線の下にさらにできるシワということもあり老けて見えやすく、可能であれば美容医療での対策も視野に入れたいところです。

マリオネットラインは見た目の印象に影響を与えやすく、老け見えの原因にも繋がりやすいです。40代・50代を見分けるポイントとして「マリオネットラインの有無」が挙がるなんてことも。

マリオネットラインに引きずられて口角が下がって見えるので、「不幸っぽい」「不機嫌そう」など、ネガティブな印象を作ってしまいやすい傾向にあります。

また、マリオネットラインができると口角が下がりやすくなるため、出来てしまった場合は日常的に口角を上げる意識を持つことが必要です。

監修者
清仁美
仁美
コスメ薬機法管理者
コスメ薬機法管理者資格を有するLASELA編集者。大学卒業後、編集プロダクション勤務。アトピー、脂漏性皮膚炎、酒さでひどい肌荒れに悩んだ経験から美容にハマる。調理師免許、ソムリエ資格も所持し、体のなかと外の両方から美しくなることを追求。

※監修者は「マリオネットラインチェックリスト」「マリオネットラインはなぜできる?」などについて監修をおこなっています。掲載している商品は、監修者が選定したものではなく編集部が口コミをランキング集計したものです。
※掲載商品は選び方で記載した効果・効能があることを保証したものではありません。ご購入にあたっては、各商品に記載されている内容・商品説明をご確認ください。
※本記事における「浸透」とは角質層までのことをさします。
※本記事でいう「エイジングケア」とは年齢に応じたケアのことをさします。
※本記事における「リフトアップ」とは、下から上に引き上げるお手入れのことを指します。

マリオネットラインチェックリスト

マリオネットラインチェックリストで、「できやすい人」に当てはまっていないかをチェックしてみましょう。

☑ほうれい線が目立つようになってきた
☑ほうれい線を放置している
☑肘をついて食べる癖がある
☑パソコンやスマホを長時間さわる
☑猫背になりがち
☑肌のハリ・弾力が落ちた気がする
☑肌がカサカサと乾燥している
☑紫外線対策はまったくしていない
☑皮膚のたるみが気になる
☑嚙み合わせが悪い
☑嚙まないで食べる癖がある

これらは、マリオネットラインを作る原因となる生活習慣の一部。チェックが多いほど、マリオネットラインを作る可能性が高いです。

また、今はマリオネットラインが出現していない場合も、チェックが多い場合は今後マリオネットラインが現れる可能性は高く予防・対策が不可欠になります。

マリオネットラインはなぜできる?

マリオネットラインがなぜできるかは、頬の脂肪が垂れ下がることで起こる溝が原因です。

顔の表情筋が衰えて頬の脂肪の重みに負けてしまうことでできる溝です。頬の脂肪の垂れ下がり(下垂)は、加齢以外にも、日常の生活に潜むさまざまな要因で起こります。

特に注目しておきたいのが
①皮膚のたるみ
②肌のハリや弾力の低下
③猫背
④噛み合わせが悪い
⑤紫外線

また、ほうれい線は子供にもありますが、マリオネットラインは子供の顔には存在しない点も特徴です。子供から大人になる過程においてどのような変化によってマリオネットラインが作られるのか、原因についてひとつずつご紹介します。

皮膚のたるみ

マリオネットラインの根本的な原因は、皮膚がたるんでしまっていること。顔の中でも脂肪が多い頬は、加齢や筋肉の衰えなどで皮膚の弾力が低下や脂肪の重みを支えきれずにたるみやすいエリア。肌がたるんでしまうと、その重みに耐えられなくなった口元の筋肉も押し下げられ、マリオネットラインが出現しやすくなってしまいます。

私たちの顔は、「骨」「筋肉」「皮下脂肪(皮下組織)」「表皮層(皮膚)」「真皮層(皮膚)」の大きく5つの層から成り立っています。

では、具体的にどのようなメカニズムで皮膚がたるんでしまうのかを見ていきましょう。

・骨量が減り、骨が縮む
・皮下脂肪の量の減少・移動
・支持人体(リガメント)の衰え・ゆるみ
・表情筋の衰え

骨量が減り、骨が縮む

筋肉や皮下脂肪、真皮層や表皮層などの皮膚が、「顔の土台」として骨が支えています。

しかし、加齢によって骨密度が低下し骨が萎縮した状態になると、顔を成り立たせてているそれぞれの層を十分に支える事ができない状態に。重力によって皮膚は垂れ下がり、たるんだ状態になってしまいます。

骨量の減少や緩みは、カルシウム不足や女性ホルモンの低下、加齢によるものが一般的です。また痩せている人や運動不足の人なども今後なる可能性が高くなります。

対策としては、「日光浴」「運動習慣を取り入れる」「食事の見直し」などが有効。食事対策としてはカルシウムやビタミンDを補うと良いとされています。

トレーニングをする際は、ウォーキングやジョギングなどの日光を浴びる運動、ストレッチ・エクササイズなどの筋肉を伸び縮みさせる運動を取り入れましょう。

皮下脂肪の量の減少・移動

皮膚の下にあり体の表面に近い部分に位置する「皮下脂肪」の量が減少・移動すると、マリオネットラインが現れやすくなります。

頬の皮下脂肪は加齢とともに減少傾向に。この際「脂肪はなくなった=その分の皮膚が自然に引き締まる」というわけではありません。

むしろ、皮下脂肪が減少することで皮膚が余ってしまい肌がたるみを引き起こしてしまいます。こうして起こったたるみこそがマリオネットラインが現れる原因に。

また、皮下脂肪は頬やこめかみ、目の下、頬に下垂しやすい特徴も。この顔の下へと移動した皮下組織は、下顎でせき止められます。すると溜まった脂肪により口角から顎にかけて溝(段差)が発生。結果的にマリオネットラインが目立ちやすくなってしまうのです。

支持靭帯(リガメント)の衰え・ゆるみ

「支持靭帯(リガメント)」の衰え・ゆるみもマリオネットラインが現れる原因に。

支持靭帯(リガメント)とは、骨と顔の皮膚・表情筋、皮下脂肪をつなぎ止め支えていている繊維状の組織のこと。

しかし、加齢により支える力が衰えると、皮膚や皮下脂肪は垂れ下がってしまいます。

支持靭帯が垂れ下がると、ハンモックのように塞ぎ止めようと働く際に、皮膚の溝(段差)が発生。結果的に深いたるみ・溝が発生し、マリオネットラインが目立ちやすくなってしまうのです。

たるみの改善において、顔の支持靭帯へのアプローチは、筋肉へのアプローチと同じように欠かせません。支持靭帯は、自分で簡単にケアできるため、正しいやり方で皮膚や筋肉の引き締めを目指しましょう。

表情筋の衰え

表情筋の衰えもマリオネットラインに大きな影響を与えています。

表情筋とは表情を作る際に使う顔の筋肉。表情筋が衰えると、皮下脂肪や皮膚をうまく支えきれず、皮膚はたるみやすい状態になってしまいます。

年齢とともに上下に引っ張る筋肉バランスは崩れやすく、年を重ねるほどたるみは進行しやすくなります。そのため肌が下に垂れたような状態となり、マリオネットラインはさらに目立ちやすくなってしまうのです。

表情筋が衰える原因は「無表情」「加齢」のふたつ。

特に近年は、マスク生活により顔の表情が緩みやすかったり、口角を使わなかったりしがち。普段から口角を上げたり表情を意識するだけでも表情筋の衰え予防に繋がります。

肌のハリや弾力性の低下

肌の表皮層の1つ奥の層である「真皮層」に含まれる肌のハリ・弾力性を保つ成分の低下もマリオネットラインを目立たせる原因になります。

加齢を始めとするさまざまな要因によって、肌の「コラーゲン」「エラスチン」「ヒアルロン酸」は減少傾向に。さらにこれらを生み出す「線維芽細胞」と呼ばれる組織も年令による機能低下・損傷するため肌のハリ・弾力性は低下してしまいます。

たるみ・緩んだ状態の肌は、マリオネットラインを作りやすい状態です。

肌のハリ・弾力性を保つ成分は加齢とともに減っていくので、対策しなければどんどんマリオネットラインは悪化してしまいます。たるみを改善するにはスキンケアや生活習慣を改善し、ハリケアをしていく必要があります。

猫背

姿勢の悪さが口元のたるみを招き、マリオネットラインが現れる原因になっている可能性もあります。

なかでも、パソコンやスマホを触る際に、ついつい「猫背」になってしまう方は要注意。

人間の体は、皮膚1枚で繋がっています。背中を丸めて顎が前に突き出た猫背の姿勢を長時間続けてしまうと、猫背で負担のかかる大胸筋に引っ張られて顔の筋肉や皮膚が下に向かってたるみ、マリオネットラインができやすくなってしまいます。

猫背などで体の前面に緊張がない状態で顔が前傾を続けると、鼻から下の力が抜けてマリオネットラインが現れやすくなってしまいます。日ごろから正しい姿勢を意識し、背筋をピンと伸ばすことを心がけましょう。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、マリオネットラインに大きな影響を与えます。

「噛む」という行為は、顔全体の筋肉に刺激を与えて血行を促し表情を明るくする役割があります。しかし、左右どちらかだけで咀嚼する癖や虫歯治療があり噛み合わせが悪いと、口周りの筋肉バランスが崩れ、筋肉に左右差が生じるように。

結果的に顔の皮膚が引っ張られてシワ・溝ができ、マリオネットラインが現れやすくなってしまうのです。

「よく噛まずに食べる方」「左右どちらかだけで咀嚼する癖のある方」「早食いの方」は、特に噛み合わせが原因でマリオネットラインが生じるケースが考えられます。

噛み合わせの癖は改善し、噛み合わせが悪い場合は、歯医者や口腔外科に相談をしましょう。

紫外線

肌は紫外線を多く浴びると、肌のハリ・弾力を保ち維持をする「コラーゲン」「エラスチン」が減少・破壊されてしまいます。

それにより肌のたるみは進行し、口周りにもマリオネットラインが出現。

皮膚のたるみを引き起こすUV-Aは、日中は常に降り注ぐ紫外線で、室内であっても窓を通して降り注ぎます。天気や季節に関係なく地表に届くため、曇りの日や雪の日であっても紫外線は降り注いでいるのです。

また、夏ごろ(7月・8月)が最も強いと言われる紫外線ですが、実は5月ごろから紫外線は少しずつ増えていきます。6月の手前ごろからは夏に向けて本格的に紫外線対策を始めていくこともポイントです。

シワの原因は? 表情・乾燥・紫外線など日常生活の何気ない習慣に注意

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